平成25年に開設した部署です。国家資格「臨床工学技士」が所属しております。臨床工学技士とは1988に生まれた医学と工学を兼ね備えた国家資格で、医師の指示の下に、生命維持管理装置の操作、及び保守点検を行う医療機器の専門医療職で、いわば「医療機器の整備士」。医療機器操作が安全かつ有効的にできるよう、また修理等のコスト削減の為装置の保守点検を行い、患者さんにいつでも安全・安心な医療を提供できるよう全国で約三万人の臨床工学技士が医療に従事しております。
当院は現在5名が所属、透析と院内機器管理が業務であり、全体的に若い組織でキャリア不足ですが、力を合わせて、より良い臨床工学科を構築しているところです。
基本理念
医療機器を通じてすべての人に
健康と安全、安心な医療を担保する
基本方針
- 工学敵知識を有するME機器の専門職として自覚を持ち、チームの一員として安全で質の高い医療を提供する
- ME機器の適正な管理と教育に努め、安全で効率的な運用を目指す
業務内容
透析業務
平成25年に開設した10床の透析室にて、医師、看護師、クラークと連携して業務しています。透析液・透析装置・透析液清浄化・透析物品・透析薬品の管理、透析回路の準備(プライミング)、透析開始業務(穿刺・接続)、透析終了業務(返血・抜針・止血)、患者さんの透析前後体重測定を毎日行っております。 【医療機器管理】 院内で使用している人工呼吸器、輸液ポンプ、シリンジポンプ、生体管理モニタの集中管理、人工呼吸器の回路交換、院内ラウンドにて医療機器の使用状況の確認と把握、職員向けの医療機器勉強会開催、新規導入医療機器の勉強会開催、臨床工学科自体の院内啓蒙が現在の業務ですが、臨床工学技士の増員やスキル向上により業務内容を増やしていきたいと考えています。
1日のスケジュール
始業から10:00まで透析室でME全員勤務
【HD】=透析室勤務、【ME】=機器管理勤務
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7:30 【早番】(1名)処理水・透析液の濃度測定など
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8:00 【日勤】プライミング
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8:30 朝礼
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8:40 午前患者さん入室透析開始
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10:00 【HD】午後透析準備 / 【ME】夜間帯の医療機器使用状況確認や装置点検・院内ラウンド
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11:00 【HD】休憩1
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11:20 【ME】休憩
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11:40 【HD】休憩2
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12:00 【ME】透析室業務 午前透析終了、午後透析開始
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14:30 【ME】機器管理業務 午後休憩(~16:00)1、2名ずつ
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16:30 【早番】終業 午後透析終了(~18:00)
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17:00 【日勤】終業
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17:00以降 残り番2名(1名)患者さんが全員退室したら終業、(1名)機械洗浄工程開始や、翌日準備の確認後終業
研修・教育体制
日常業務はプリセプター制度を採用し、部署内で先輩から指導を行う。グループの臨床工学部門研修会(技士長会主催)が、年に新入職員研修会2回、2年目職員研修会が1回、役職者研修が2回、全ME対象の研修会(内容は毎年変更)が2回あり、可能な限り参加している。現在は日本臨床工学技士会主催の告示研修も、研修扱いで受講出来ている。このほか関連学会の勉強会・研修会、装置メーカによるメンテナンス講習など業務に必要な研修も研修扱いで受講出来る体制を作っている。
(日機装 透析監視装置メンテナンス研修、テルモ 医用ポンプ保守点検ベーシックコース、埼玉県臨床工学技士会 血液浄化セミナー、IMS 医療安全管理者養成講習等)
資格取得者数
臨床工学技士国家資格(全員)
所属長メッセージ
当院臨床工学科では透析とME機器中央管理を業務としております。慢性期病院ですので扱う装置の種類は少ないですが、安全で効率のよい医療機器運用のために、知識・技術の研鑽、また機器管理のシステムの構築を行っています。急性期病院に比べ業務内容は狭い範囲になりますが、その分一つの装置に対し深く対応できる臨床工学技士を目指しています。
また、臨床工学技士一人一人の長所を活かし、かつ短所もまたそれぞれの強みに変えていけるような指導を心がけております。一緒に成長していきましょう。
勤務時間(勤務パターン)
早番 | 7:30~16:30 |
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日勤 | 8:00~17:00 (18:00ぐらいまでの残り番の可能性あり) |
- 将来的には遅番 10:00~19:00の勤務も作りたい
- 日曜は休み(+平日1日休みでシフト制)
よくあるご質問
- 透析はどれくらいで一人前になれますか?
- だいたい2年を目途に独り立ちとしています。1年目は装置の扱い、患者さん対応で2年目から穿刺技術を身に着けています。
- MEは何人まで増やしますか?
- 最低6人を考えてます。今後6人で安定し、全員のスキルアップが出来れば業務範囲を増やすためにももっと増員出来るように交渉していきたいと考えてます。
- 機器管理業務の内容は増やしますか?
- いろいろ増やしたい内容があります。人数が増え、全員のスキルアップが出来れば検討していきたいです。
- 近隣のイムスグループとの連携はありますか?
- 技士長間のやり取りは多くしています。その中で急性期MEの見学や研修をさせてもらうことは可能です。
- 慢性期病院のMEの特徴は何ですか?
- 慢性期と言っても病院それぞれ違うと思いますが、当院は長期療養の入院患者さんがほとんどです。お話が出来ない、寝たきり、麻痺があるといった方々の透析のサポート、医療機器が適切に使用されているかを確認するためには、自分ので問題点を探し出す目を持たなくてはなりません。難しいですが、出来るようになればやりがいがあります。急性期病院のようにいろいろな業務はできないですが、透析・機器管理をじっくり学び、かつ自身で業務のシステム作りが出来ます。狭い範囲をじっくり掘り下げたい方には慢性期が合っているのではないかと思います。